預金利息はゼロに近く仮想通貨のセキュリティにはまだ疑問符がつき、資産形成の為の投資対象として“不動産”は、そのリスクの低さが評価され相変わらず人気です。
不動産投資には多額な資金が必要と思われていますが、必ずしも自己資金を多く必要とするものでもありません。
誰でも算入できる不動産投資の魅力と、知っておきたい不動産投資のイロハについてまとめています。

不動産投資の資金を準備する

不動産投資を始めようと考える時、まず最初の壁とも言うべきことが“資金”です。

区分所有のワンルームマンションで数百万円、1棟売りの賃貸マンションで数億円、木造アパートで数千万円、投資用不動産の価格です。
賃貸用の木造戸建物件なら数百万円から一千万円といったところですが、自己資金で購入するケースは少なく、ほとんどは金融機関の融資を利用するのが一般的です。

融資とはつまり“借金”をすることですが、借金に抵抗を感じる人は不動産投資には向いていません。
融資を利用して資産を形成できるところが不動産投資の特徴です。
投資として最も一般的な株式投資では、融資を受けて投資を行う方法は基本的にありません。
*保有株式を担保にして投資資金融資を行うケースはあります。

融資を受けて不動産を購入するメリット

資産形成の為の投資用不動産を購入する目的には2つあります。

  • 購入後の値上がりを待って売却する差益を期待するキャピタルゲイン
  • 賃貸物件として活用して安定した収益を期待するインカムゲイン

ほとんどの場合は両方の目的を兼ねると思いますが、融資を受ける時には返済金額と収入金額のバランスが大切なことは言うまでもありません。

では、返済額は収入金額の何割に抑えるのがよいかということですが、ズバリ50%がギリギリです。

満室時の収入の半分までが限界です。これを超える返済額では空室が増えた場合、返済が出来なくなる可能性もでてきます。

かといって返済比率を下げると安全性は高まりますが、自己資金比率が高まり投資効率が悪くなります。

望ましい返済比率としては45%~35%に納まるような物件を見つけることです。

返済比率の幅によって自己資金の必要額がどのように変わるのかを確認する為、シミュレーションをしてみます。

シミュレーション物件概要
物件取得費(諸経費含む):4,500万円
満室時年収:700万円
返済年数:15年
借入利息:3%
返済比率50% 返済比率45% 返済比率35%
年間返済額 350万円 315万円 245万円
借入額 4,200万円 3,770万円 2,930万円
自己資金 300万円 730万円 1,570万円

返済比率50%のケースが最大値です。
リスクは大きくなります自己資金の投入は300万円ですみます。
少し安全側で計画するのなら返済比率45%の730万円とします。
返済比率35%が最小値です。これ以上返済比率を下げると自己資金をどんどん投入しなければなりません。

返済比率を45%~35%の間で設定することが、リスクを軽減しなおかつ自己資金の必要量を適正な範囲に抑えることができることを理解できると思います。

自己資金+融資によって、自己資金だけでは購入できない不動産を取得できることが、融資利用の最大のメリットです。
そしてもう一つのメリットがレバレッジ効果を得られることです。

投資効率を計るレバレッジとは

上の事例でレバレッジを計算してみます。

シミュレーション物件概要
満室時年収:700万円
実際の年収:590万円
返済比率50% 返済比率45% 返済比率35%
年間返済額 350万円 315万円 245万円
年間修繕費 120万円 120万円 120万円
剰余金額 120万円 155万円 225万円
自己資金 300万円 730万円 1,570万円
自己資金回収率 40.0% 21.2% 14.3%

レバレッジは少ない金額で大きなリターンを生みだす効果を言いますが、投入した自己資金を何年間で回収できるかをシミュレーションしたのが上の結果です。

自己資金が少ない方が、つまり借入金額が大きい方が回収率は高くなります。
自己資金の改修を早くして次の投資物件に投入する。これを繰り返すことによって自然に資産が形成されていきます。

不動産投資で不労所得は可能か

賃貸物件から生まれる賃料収入をよく“不労所得”と言ったりしますが、賃貸事業はけっして不労所得ではないというお話です。

サラリーマン大家さんなどと言うように、会社勤めをしながら大家さんをやっている人は多くいます。
他にもお医者さんとか会社経営者にも多く大家さんはいます。
地方都市には農業を営みながらアパート経営をしている人が多いものです。

大家さんと親しく話すことが多いのですが、毎日のように物件の環境のことや、空き室のことなど考えているようで、“不労所得”を得ているようなのんきなものでは無いようです。

賃貸管理の実態

賃貸事業は入居者からの賃料で成り立つ事業です。
定期的にキャンペーンを行い入居者を募集するとか、季節によって感謝セールをするといった、派手なピーアールや広告宣伝は必要としません。どちらかというと地道にコツコツと業務を進めていくものです。

業務の中心は“賃貸管理”と言われるもので具体的には次のような業務のことです。

  • 賃料の集金や滞納者への督促
  • 退去時の立会いや点検
  • 原状回復費用の請求
  • 入居者からの要望や苦情への対応
  • 水漏れなどの突然起こるトラブルへの対応
  • 空き室情報の公開
  • 内見者の案内や説明
  • 賃貸借契約・火災保険契約の締結
  • 入居立会や鍵の引渡し
  • 建物の劣化や周辺環境の点検
  • 定期清掃や定期点検
  • 退去に伴う修繕工事や定期的なメンテナンス工事

このように多岐に渡る業務がありますが、大家さん自らすべての業務をやっている場合もあれば、部分的または一括して管理会社に委託して行っているケースもあります。

サラリーマン大家さんのように、仕事をしながら大家さんをやっている方のほとんどは、管理会社に一括して管理を任せています。特に空き室が生まれた時の入居促進は、管理業務の中でも最も重要な仕事です。

管理会社任せで大丈夫?

賃貸事業が順調にいくかどうかの分岐点のようなものがあります。
上に書いたようにほとんどの大家さんは管理会社に管理業務を委託していますが、信頼できる管理会社を選ぶことができるかどうかというところが非常に重要です。

賃貸管理は物件の所在地に近い不動産会社や賃貸管理会社に依頼するのですが、どんな会社でもよいというわけにはいきません。賃貸管理を任せられる会社選びのポイントは次のようなことです。

経営内容・財務内容がしっかりしていること
毎月の家賃を管理会社が集金し、後日まとめて大家さんに振り込む方式を採るケースが多く、大切な賃料を一定期間預けることになるので、経営状態に問題の無いことが最も重要です。
集客力が強く、地域の仲介会社との提携も強いこと
管理会社自身に集客力が入居希望者を集めることができることはもちろん、地域の他の仲介会社とも仲が良く、お客さんを紹介してくれる関係になっていることも次に大切です。
大家さんと長い付き合いをしていること
管理物件の棟数を確認したり、管理年数がどのくらいかを確認したりしながら、大家さんたちとの関係が良好かどうかを確認してみることも大切
代表者や担当者が信頼できる人物か
代表者の考え方や担当者の人間性など、出来るだけ多くの時間を費やして、信頼できる人物かどうかを見極める

口先だけ調子よく実際には真剣に仕事をしていない管理会社が無いわけではありません。地元の仲介会社の評判を聞くのも、選択の際の参考になります。

パートナーになる不動産会社をみつける

不動産投資により資産を形成するスタートは、投資物件を見つけて購入することから始まります。
物件を手に入れなければ何も先に進みません。

物件を見つける為に不動産仲介サイトを活用するのですが、毎日物件検索で探してもなかなかよさそうな物件に出会うことはありません。

何故ならそこには理由があるからです。

不動産検索サイトで物件を見つけられない理由

不動産物件を掲載しているサイトはたくさんあります。
ポータルサイトと呼ばれるものです。

SUUMO、アットホーム、Yahoo!不動産、goo住宅、投資物件専門の楽待、健美家、などがよく利用されるポータルサイトです。

それぞれのサイトに掲載されている物件のほとんどは、「アットホーム」にもある「SUUMO」にも掲載されていることが多いものです。
取扱会社が同じこともあれば違う会社が取扱店になっていることもあります。

不動産仲介会社は物件情報を多くの人に見てもらわなければ商売になりません。
かといってすべてのポータルサイトに掲載するとなると費用が嵩むこともあり、資金力が豊富な会社以外はいくつかポータルサイトを絞っています。

同じ物件なのに仲介会社が異なるのは、一般媒介によって売却を依頼している物件や、専任媒介を受けている会社から「物件を借りて」掲載する会社があったりするからです。

ポータルサイトに掲載するにはほとんどの場合費用がかかるので、すべての物件を掲載することはありません。

何故なら・・・掲載しない物件は掲載しなくても売れるからです。

仲介会社には優良物件を優先的に紹介する特定の顧客がいます。
過去に投資用物件を購入したくれた人や、時折り店舗に顔を出して熱心に物件情報を集めている人です。
仲介会社とってそのような人は、探している物件の条件や購入資金の捻出方法など、売買契約に至る条件が揃っている顧客です。
まずそういったお客さんに物件を紹介し、数人の特定顧客がスルーした場合に、初めてサイトに掲載したり物件情報を折込や情報誌などに掲載します。

つまり、特定の顧客が見送った物件が世の中に公開されているだけで、本当に価値のある物件はあまり不特定多数が見られる媒体に出てくることはありません。

信頼できる仲介会社を見つけて仲良くなるのが成功のコツ

投資物件を自分で探すのはあまり意味の無いことです。
情報が限られていますし、同じ情報を競争相手とも言える他の大家さん希望者が見ているわけです。
優良物件は“早い者勝ち”という状態で売れていきます。

いい物件に出会う為には、いい仲介会社を見つけることが早道です。

ターゲットにしている地域の不動産会社で、投資物件に強そうな会社をピックアップして、時間があれば訪問したりして、スタッフと仲良くなることがいい物件に出会えるチャンスになります。

1社だけでは無く2~3社をピックアップできれば、間口も広がり情報も多くなってきます。

ポータルサイトで物件を探す前に、パートナーになる不動産仲介会社を見つけることが先決です。